2024年11月16日 13:40
エルサルバドル人はサンテグジュペリの「星の王子様」が大好き。星の王子さまをテーマにした公園、オブジェ、ストリートアート、先住民の言語で書かれたバージョンなど、様々目にします。実はサンテグジュペリの妻はエルサルバドル人で名誉エルサルバドル人として位置付けられています。
本記事では、星の王子様「Petit Prince(仏)」というテーマでエルサルバドルのことを紹介します。
ナワ語版「星の王子様」
エルサルバドル文化省もサポートし、星の王子様のナワ語版が制作されました。イラストも先住民を模していて、登場人物や世界観も先住民を彷彿とさせます。
こちらのナワ語版はエルサル国内で購入できるほか、国立図書館にも蔵書があります。
星の王子様公園「Parque Prinicipito」
スペイン語では「星の王子様」を「Principito(プリンシピート)」と呼んでいます。この作品をテーマにした公園がエルサルバドルの首都サンサルバドルににあり、住民の憩いの場になっています。
ここはクリスマス時期にはクリスマスマーケットも並び、イルミネーションもとてもきれいです。
エル・プリンシピト公園 · Blvr. Merliot, Santa Tecla, エルサルバドル★★★★★ · 公園maps.app.goo.gl
星の王子様に出てくるバラのモデルはサンテグジュペリの妻 Consuelo氏
星の王子様が住んでいた星に咲いていたバラ、作中ではわがままで世話がやけ、星を出るきっかけをつくりました。星の王子様が地球でたくさんのバラを見て一時はがっかりしたものの、キツネの一言で星のバラが特別なものであることに気づきました。次のセリフがきっかけでしたね。
「”心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。”」
そのバラのモデルになったのがエルサルバドル人の妻、コンスエロです。彼女はエルサルの裕福な家庭(コーヒー農園の大地主)で生まれ、サンテグジュペリとの結婚が3回目の結婚。フランスの社会からはなかなか受け入れられずに苦労したとのことです。彼女自身もサンテグジュペリに色々と思うことがあったようで、回顧録「Memorias de la rosa」で赤裸々に記述しています。
Memorias de la rosa | Editorial Espinas«Más tarde, supe que la flor era yo, una flor muy orgullosa,editorialespinas.com
この告白書から批評家は星の王子様はサンテグジュペリの心の平和の追求に関する思いを表現したのではと評しているようです。
Consuelo de Saint-Exupéry, la salvadoreña que inspiró a su marido para escribir “El principito” – BBC News MundoConsuelo Suncín-Sandoval se casó con Antoine de Saint-Exupérywww.bbc.com
おわりに
不朽の名作「星の王子様」のバラのモデルになったコンスエロ、彼女のルーツ、エルサルバドルに訪れたり関連書物を読むことで、作品をさらに深く味わえるかもしれません。エルサルバドルのコーヒーを飲みながら再読してみると新しい発見があるかもしれませんね。
星の王子様は文庫版で複数社から出版されてますね
100分de名著シリーズです。作品の背景を説明しており、物語に様々な解釈を与えてくれます。
作中に出てくる「バラ」のモデルとなったサンテグジュペリの妻コンスエロの回顧録。スペイン語版でかつ高価ですがより作品を理解するにはよいかもしれません。
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