2025年1月13日 18:02
インカ帝国の首都クスコ、ペルーいちの観光地であり、マチュピチュやレインボーマウンテンに行く際は必ず寄る場所でもあります。標高は約3400mで富士山の8合目にあたる高さのため高山病のリスクがあります。本記事では高山病対策という視点でクスコ、マチュピチュ、レインボーマウンテンについて書いていきます。トップ写真は下記サイトのもの
高山病とは
高所では、気圧が下がるため空気が薄くなり、それに応じて空気に含まれている酸素の量も減ります。体がそのような環境の変化に順応することができずにいくつかの特徴的な症状が出現した場合は、高山病と診断されます。症状が出現する標高やその高さに慣れるまでに要する時間には個人差があり、同じ人でもその時の体調によって異なります。通常、標高2500mくらいから発症する可能性がありますが、海外のトレッキングコースには標高4000mを超えるものもありますので経験豊富な方でも注意が必要です。また、標高3000m~4000mの高地まで乗り物で行ける場合でも高山病を発症する可能性があります。高齢者では、標高1500mからを高所と考える必要があります。
厚労省
症状としては「山酔い」が一般的で食欲低下、悪心・嘔吐などの消化器症状に加え「全身倦怠感や脱力感」「立ちくらみやめまい」「眠れない、息苦しい、何度も目が覚めるなどの睡眠障害」があげられます。
重症化すると「高所肺水腫」や「高所脳浮腫」にもなりますのでくれぐれも無理のないようにするとよいです。
高山病対策の基本
予防の中でも特に大事なのこと下記3つかと思います
・ゆっくり息切れをしないように歩くことを心がけること
・水分をとること(アルコールは控える)
・予防薬(アセタゾラミド:商品名:ダイアモックス)を高所へ行く前日から到着3日後まで服用することを検討すること
・厚労省 FORTH https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis02_08mou.htm
現地の人はコカの葉のハーブティーを飲むといいと言いますが、効果のほどは定かではありません。
予防薬「アセタゾラミド」について
高地滞在前日から飲み始めます。ペルーの薬局の指示では前日と当日に服用とのこと。2錠あれば足ります。
アセタゾラミドAcetazolamide(スペイン語ではAcetazolamida、日本での製品名はダイアモックス:Diamox)の内服は高山病に対する予防効果がある他、頭痛や不眠などの高山病の症状を改善させる効果があります。ただし、アセタゾラミドは『高山病にならない薬』ではなく、高地への順応障害を少し遅延させる効果しかありません。あくまでも、その他の予防手段が重要であり、高山病を発症した場合は同薬に頼らず低地に降りるなどすぐに治療を開始することが重要です。アセタゾラミドは日本では医師の処方箋を必要とする医薬品ですが、ペルーの薬局では処方箋がなくても購入することができます(空港内の薬局でも購入できます)。ただし、持病のある方などその服用に制限のある場合がありますので、渡航前に本邦の医師にご相談ください。
予防内服の方法に定説はありませんが、一例として、成人の場合は前日夜より1日2回(朝と寝る前)、125mgずつ(250mg錠ならば半分に割る)で内服を開始し、高地にしばらく滞在するのであれば数日間飲み続けるという方法があります。この際、アセタゾラミドには利尿作用(尿の量を増やす作用)があるため、水分の補給は十分に行ってください。
外務省HP 世界の医療事情「ペルー」
ペルーではたいていの薬局においてあり、気軽に買えるので節約する場合は
ペルーで必要な分だけ買いましょう。箱で買うのでなく一錠から買えます。節約も大事ですがせっかくの旅行をなるべく楽しむためにも購入することをおすすめします。
(プエルトマルドナドの薬局は取り扱っておらず地元の人が使っている他の薬をすすめられました。成分がわからなかったので購入は控えましたが)
クスコ 標高3400m 「対策必要」
空港を降りると徐々に影響を感じると思います。水分をこまめにとり、息をきらさないようにゆっくり行動しましょう。私は薬は服用しませんでしたが初日にビールを飲んだら睡眠時に苦しくなって寝れなくなってしまいました。予防薬を飲んでいる人は若干の空気の薄さを感じていましたが、薬の効果(プラセボ含む)影響は少ないように見えました。
マチュピチュ 標高2430m 「必要に応じて対策」
高山病はぎり発症しない高度ともいえます。クスコから直接マチュピチュに行き、一泊してクスコに戻ると高地順応しやすいというメリットがあります。
なお、マチュピチュ訪問時は「アグアスカリエンテス」という町が玄関口となり、そちらの標高は約2000mのため高山病の影響はほとんどでないといえます。
インカトレイル(写真一番上)という約43kmの道を3泊4日かけて、歩くトレイルツアーでは4000m前後の2つの峠を通りますので高山病対策が必要です。
レインボーマウンテン 標高5200m 「対策必須」
近年人気になっているレインボーマウンテン(実際は上の写真ほど色鮮やかではありません)は標高が高く、また約1時間半かけてビューポイントまでトレッキングします。クスコからの出発は朝4時ころと早く、寝不足もあいまって高山病発祥のリスクは非常に高いです。
クスコで十分に高地順応をしてからいけるようなスケジュールを組むとよいですしょう。
おわりに
高山病の症状は個人差があります。余裕をもったスケジュールを組むように気を付けましょう。
マチュピチュ関連本です
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